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【ダ・ヴィンチ2016年6月号】Cover Modelは、野村萬斎さん!

Cover Model 野村萬斎  

登場人物たちは、
心の曇りを抱えながら生きる人々です。

 

 ここのところ声優としての映画出演が続いていた野村萬斎さんだが、久々にスクリーンで動く姿を披露してくれることになった。映画『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』で主人公の仙石を演じるのだ。しかも、今作は髷物(まげもの)でもなければ原作物でもない。人気脚本家の古沢良太さんが萬斎さんを主演に当てて書き下ろした、完全オリジナルの現代ミステリー作品だ。

「古沢さんが、チェーホフの『かもめ』という舞台でトリゴーリン役を演じる僕を見て着想を得たのが、この映画のスタートになったと聞いています。流行作家であるトリゴーリンが若い女優の卵と交際するのに影響を受けたのか、この物語のとっかかりは女子高生なんですよ」

 朗らかに笑う萬斎さんだったが、劇中ではこの笑顔を見ることはできない。仙石が、特殊能力があるせいで人間嫌いになってしまった暗い男という設定だからだ。

 サブタイトルの通り、仙石は物に宿る人間の記憶を読み取る力「サイコメトリー」の能力を持つ。かつてはその力を使い、お笑いコンビ「マイティーズ」として一世を風靡したこともあったが、虚飾と欺瞞に塗れた人の記憶を読み続けるうちに心を病み、今ではマンションの管理人となって隠者のような生活を送っている。

「登場人物たちは、心の曇りを抱えながら生きる人々です」

 行く先々で仙石が読み取る、犯人とおぼしき人物の記憶。だが、点と点がつながるほど、ますます混迷の色が濃くなっていく。

「コミカルな前半とシリアスな後半の差を楽しんでいただければと思います。知ることの幸せと不幸せ。図らずも知りすぎる力を持つ男が、どういう結末を迎えるのかお楽しみに、というところです」

 
■そんな野村萬斎さんの選んだ一冊は……

shigosennomatsuri1

『子午線の祀り・沖縄 他一篇  木下順二戯曲選Ⅳ』 
木下 順二 岩波文庫 品切再版未定

都落ちした平家一門を率いる平知盛と彼らを追う源義経。二人の武将が、それぞれの周囲に集う武者たちと語らい、諍いつつ、時の濁流に呑み込まれていく姿を、屋島への敗退から壇ノ浦での滅亡までの期間で描いた「子午線の祀り」と他二篇の戯曲を収録した選集。日本を代表する劇作家である木下順二の壮大な世界観を感じることができる一冊。

「まさに私のライフワークとも言うべき作品です。父・野村万作が初演から関わっていたこともあり、子供の頃からこの舞台を観ていました。そして、後年自分も出演することになった。父が義経を演じたのに対し、私が演じたのは知盛。親子で真逆のキャラクターを演じたわけです。何やら深い因縁を感じます。この作品は、木下順二という演劇の天才が、圧倒的な宇宙観や人間を俯瞰してみる視点から運命の不条理を描き切った作品である、という感覚が僕の中では強い。人間存在の悲しきところまで見すえたスケールの大きさによって、今では僕の根幹をなすものになっている気すらします」(野村萬斎 談)

取材・文=門賀美央子

 
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